杭の埋設工法は、都市化が進むにつれ打撃工法から低振動低騒音工法へと移行してまいりました。現在では、プレボーリング工法(セメントミルク工法・回転埋設 工法)と中掘工法がその主流となっております。しかし、礫地盤等の複雑な地盤での施工については、プレボーリング工法ではスクリューの曲がりによる掘削孔の屈曲、スクリュー引上げ時 の礫等の落下による高止り、中掘り工法では、礫等が杭中空部で圧密し杭体破損や施工不能に陥る欠点があります。
セメントミルクケーシング工法は、これ等の欠点を解消しました。オーガースクリューの外側にケーシングの回転機構を加えオー ガースクリューとケーシングが相対回転しながら掘削する工法です。
●掘削孔の垂直精度は極めて良好です。オーガースクリューの軸は曲げに対する剛性は小さいが、ケーシングの剛性が加味されるので剛性が大きくなり曲げに強くなります。さらにオーガースクリューとケーシング の相対回転により、掘削孔の垂直精度は極めて良好です。
●杭の高止まりは殆んどありません。掘削中は、地中でケーシングに設けた排土用窓から掘削土 が圧密した状態で排出されるため、崩壊の少ない孔壁ができるので、確実な杭の挿入が可能です礫層や岩盤掘削中の岩片は、掘削中のスクリューとケーシングの間に留揚げるため、礫や岩片の落下は少なく杭の高 止まりは殆んどありません。
●杭と原地盤との密着性は良好です。セメントミルクと掘削土壌の携押混練は、ケーシング内でオーガースクリューの相対回転により行なわれるため完全なソイルとなり、杭と原地盤との密着性は良好です。
●支持力に不安は一切ありません。過去、同工法で施工した杭の載荷試験数十例の結果より、要求される支持力を遥に上廻る支持力を発揮しております。
●同工法が得意とする地盤は広範囲に渡ります。礫地盤・玉石層・転石層・岩盤層・傾斜した岩盤層・旧炭坑跡地の古洞層・等々、広範囲に施工可能です。